11958.jpg
「作家に迷惑行為しないで」 大阪の画廊が発表したギャラリーストーカー対策が「すばらしい」と反響
2023年01月24日 10時53分
#ギャラリーストーカー

近年、社会問題として認知されるようになってきた「ギャラリーストーカー」。画廊にいる作家に付きまとうなどの迷惑行為をする客のことをこう呼ぶ。追い詰められた作家が創作活動に支障をきたすなど、深刻な影響も発生している。

そうした中、大阪市の画廊「芝田町画廊」が1月20日、ツイッターでギャラリーストーカー対策を公表して、大きな反響を呼んでいる。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

近年、社会問題として認知されるようになってきた「ギャラリーストーカー」。画廊にいる作家に付きまとうなどの迷惑行為をする客のことをこう呼ぶ。追い詰められた作家が創作活動に支障をきたすなど、深刻な影響も発生している。

そうした中、大阪市の画廊「芝田町画廊」が1月20日、ツイッターでギャラリーストーカー対策を公表して、大きな反響を呼んでいる。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)

●「具体的ですばらしい」と賞賛された対策

「ストーカーによる嫌な事件が続きます。ギャラリーストーカーについても以前から言われておりますが、なかなか無くならないのが現状です。それを踏まえて、弊画廊での対策を強化したいと思います。何卒、ご理解のうえ、ご協力をお願いいたします」

芝田町画廊(@shibatacho)のアカウントはこう投稿して、ギャラリーストーカー対策として次のような行為をやめるようを呼びかけた。

・家族、友人でもないのに作家を呼び捨て、又はちゃん付けで呼ぶ。(ギャラリーで会ったことあるだけで友人とはいいません)

・長時間作家を独占して話し込む。

・作家のプライベートや連絡先などを聞く。

・作家とギャラリー以外で会うことを要求する。

・SNS等でも作家に対する上記の行為はお止め下さい。

これを受けて、作家からは「具体的ですばらしい」と賞賛の声があがった。また、ツイッター上で「コミケでもある」「文学系の集まりでもある」「舞台女優の男性ファンを連想」「演奏家界隈でもある」など、他のジャンルでも似たような被害があることが報告された。

●具体的な対策で「抑止効果」ねらう

なぜこのような対策をとることにしたのか。芝田町画廊の責任者、吉田隆博さんは弁護士ドットコムニュースの取材に対して、次のようにコメントした。

——これまでにどのような被害があったのでしょうか?

弊画廊ではそれほどの被害はないのですが、初めて会った作家や、2~3度会ったことのある作家に対して、非常に近い距離感でなれなれしくしたり、とにかく若い作家を捕まえて、上から目線で作品の批判や酷評をする、いわゆる説教おじさんがたまに現れます。ただ、作家さんや他のギャラリーさんからはつきまといやセクハラなどの行為も聞くので、今さらながらですが、対策を取りました。

——今回、対策を公表された理由を教えてください。

以前から、「お客様や出展者を守り、気持ちよくご覧いただくために、『暴言、暴力、セクハラ、ストーカー行為とみなされる言動』などの迷惑行為があった場合、強制退去命令や警察への通報などを行うことがあります」という文章はホームページなどに記載してきました。

具体的にセクハラやストーカー行為とまではいかなくても、前文のように作家が迷惑してる行為がありますので、今回、具体的な事柄を挙げることによって抑止することと、注意をしやすくすること、また実際迷惑行為をする方は自覚してないことが多いので、これを見て気づいてもらえたらと思い投稿しました。

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る