13449.jpg
付き合いで加入した「生命保険」、解約しようとしてトラブルに…注意すべきポイント
2017年10月10日 09時51分

保険金がおりない、説明よりも保険料が高額だった、解約返戻金が少ないーー。こんな保険をめぐるトラブルを経験したことはありませんか。さらに、そこに知人が絡むと厄介です。インターネットの掲示板には、知人との付き合いで加入した保険の解約トラブルについての投稿がありました。

投稿者の女性は、保険会社勤務の知人との付き合いで生命保険に加入したものの、その後調べてみると、投稿者にとっては都合の悪いプランだということが分かりました。そこで解約を申し出たところ、知人からは「付き合いもあるのにどうかと思います」と激怒されたそうです。

知人の誘いで保険に加入する場合は、どのような点に注意すべきでしょうか。足立格弁護士に聞きました。

保険金がおりない、説明よりも保険料が高額だった、解約返戻金が少ないーー。こんな保険をめぐるトラブルを経験したことはありませんか。さらに、そこに知人が絡むと厄介です。インターネットの掲示板には、知人との付き合いで加入した保険の解約トラブルについての投稿がありました。

投稿者の女性は、保険会社勤務の知人との付き合いで生命保険に加入したものの、その後調べてみると、投稿者にとっては都合の悪いプランだということが分かりました。そこで解約を申し出たところ、知人からは「付き合いもあるのにどうかと思います」と激怒されたそうです。

知人の誘いで保険に加入する場合は、どのような点に注意すべきでしょうか。足立格弁護士に聞きました。

●勧誘する人には保険業法で2つの義務がある

「保険は、多くの方にとって、安くない買い物です。そのため、(もちろん、今後の人間関係などから簡単でないことも多いと思いますが)知人からの紹介であるからといって、軽々に保険に加入すべきではなく、家族や周囲の意見も聞いた上で、慎重に検討して納得できた場合に加入すべきものです」

足立弁護士はそう指摘する。保険会社の業務について、法律はどのように定めているのでしょうか。

「保険業法では、保険への加入を勧誘するに当たり、勧誘する人(保険募集人)に意向把握義務及び情報提供義務が課されています。これは、(1)保険を勧誘するに当たって、顧客の真の意向を適切に把握した上で(意向把握義務)(2)保険の内容を誤解のないようしっかりと説明し、仮に顧客の意向に対応しうる取扱保険が複数ある場合には、それらの概要を示して顧客が適当な選択を行うことができるようにすべき(情報提供義務)とするものです。

また、金融庁から公表された顧客本位の業務運営に関する原則にも示されているとおり、保険への加入の勧誘は、あくまでも顧客の立場に立って、顧客の真の利益を図るために行われなければなりません」

●知人であっても理解できるまで説明を求めよう

たとえ知人との間であっても、これらの義務を果たさないといけないということですね。

「はい。知人からの紹介で保険に加入する場合、どうしても人間関係が先に立って、前記の意向把握義務や情報提供義務が十分に果たされず、えてして、顧客本位ではない勧誘がなされがちです。そうなると、後から『自分の思っていたのとは違う』とか、『そんな説明は受けていない』となって、知人との間でトラブルとなりがちです。

そのようなことのないよう、

・自分が意図する保障を提供してくれる保険なのか

・同じ内容の保障でより保険料が安いなどのメリットのある保険はないか

・どのような場合に保障され、どのような場合に免責となるのか

・元本割れすることはないのか

等々についてしっかりと理解できるまで説明を求めましょう。知人だからという安易な気持ちで加入することのないよう、気を付けるべきだと思います」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る