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寂しい一人暮らしOL、「小動物」飼育で気を紛らわせたい...バレたらどうなる?
2017年01月16日 09時56分

帰宅しても「ただいま」を言う相手がいない、寂しい一人暮らし。彼氏もおらず、婚活に勤しむも、うまくいかず。東京都内のIT企業で働くケイコさん(28)は最近、実家を出て、一人暮らしと婚活を始めたが、寂しさと虚しさに耐えられず、「小動物の飼育計画」をこっそり立てているという。

ケイコさんは実家で猫を飼っており、子どもの頃から常にペットがいる生活を送ってきた。ところが、今住んでいるマンションはペットの飼育が禁止されている。「ペットのいない生活がこんなに寂しいとは思わなかった」とケイコさん。

そこで、ケイコさんが考えているのが小動物の飼育だ。「ハムスターやハリネズミならバレずに飼えるかと思って...。でも、うちは壁が薄いので隣人に鳴き声で飼育がバレたり、退去するときに匂いが残ってお金を請求されたらどうしようという不安もあります」。

ペット禁止のマンションで、小動物をこっそり飼育することには法的な問題があるのか。飼育がバレた場合、出て行かなくてはいけないのか。弁護士に聞いた。

帰宅しても「ただいま」を言う相手がいない、寂しい一人暮らし。彼氏もおらず、婚活に勤しむも、うまくいかず。東京都内のIT企業で働くケイコさん(28)は最近、実家を出て、一人暮らしと婚活を始めたが、寂しさと虚しさに耐えられず、「小動物の飼育計画」をこっそり立てているという。

ケイコさんは実家で猫を飼っており、子どもの頃から常にペットがいる生活を送ってきた。ところが、今住んでいるマンションはペットの飼育が禁止されている。「ペットのいない生活がこんなに寂しいとは思わなかった」とケイコさん。

そこで、ケイコさんが考えているのが小動物の飼育だ。「ハムスターやハリネズミならバレずに飼えるかと思って...。でも、うちは壁が薄いので隣人に鳴き声で飼育がバレたり、退去するときに匂いが残ってお金を請求されたらどうしようという不安もあります」。

ペット禁止のマンションで、小動物をこっそり飼育することには法的な問題があるのか。飼育がバレた場合、出て行かなくてはいけないのか。弁護士に聞いた。

●退去を求められてしまう?

鳴き声のないハムスターやハリネズミのような小動物であれば、飼育しても問題ないのだろうか。

「一般論としては、ハムスターやハリネズミなどの小動物をカゴの中で飼育し、他の居住者に迷惑をかけていないという状態であれば、貸主からの契約の解除が認められる可能性は低く、退去しなくても良いという可能性が高いと言えるでしょう。

しかしながら、ペット禁止の部屋の中でペットを飼育するということが契約違反であることは事実です。ペット禁止のマンションではペットを飼育しないことが望ましいことは言うまでもありません」

もし禁止されているペットの飼育が発覚した場合、退去を求められてしまうのだろうか。

「賃貸借契約において、貸主の方から、借主に契約違反があるとして契約を解除して退去を求める場合、一般的には、借主に単なる契約違反があるだけでは理由としては不十分です。貸主の契約違反により、賃主と借主の間の信頼関係が壊れた状態になっていることが必要とされています。

したがって、単に『ペットを飼育している』という事実だけで、賃貸借契約の解除が認められるわけではありません。

そのような事実に加えて、例えば『ペットによる騒音や悪臭が発生し他の居住者に迷惑をかけていた』『賃主がペット飼育を止めるよう何度も申し入れたにもかかわらずペット飼育を止めない』といった事情がある場合には、賃貸借契約の解除が認められると考えられます」

●判例では?

実際に、同じようなケースで裁判例はあるのだろうか。

「同様のケースで、裁判例も複数あります。1つは、ペット禁止の部屋において、小型犬のマルチーズを5年以上にわたり飼育していた借主に対し、賃主が賃貸借契約の解除と建物からの退去を求めたという事案です。

この事案で、マルチーズは体重2.5キログラム程度の小型犬であること、犬の鳴き声などにより、他の居住者や近隣住民に迷惑や損害を与えたり、建物に損害を与えたりしたことは窺われないことから、貸主による契約の解除を認められませんでした。

しかし、裁判所の判断もケースバイケースとなります。5年近く小型犬を飼育しているということは契約違反であるとして、貸主による契約の解除を認めた裁判例もあります」」

●違約金の支払いを求められたら?

ペットの飼育が発覚し、違約金の支払いを求められた場合には、支払うしかないのだろうか。

「ペット禁止のマンションにおいてペットを飼育していたことに対し、貸主からペナルティとして違約金の支払いを求められた場合、賃貸借契約書に違約金などの定めがなければ、違約金自体を支払う必要はありません。

しかし、部屋についてペットの飼育による損害が発生している場合には、賃貸借契約書に定めがあるか否かに関わらず、その損害を弁償しなければなりません。退去時の原状回復費用として支払いを求められた場合でも同様です。

具体的には、例えば、部屋に付着した匂いの脱臭の費用、フン・尿などによるシミの除去費用・消毒費用、ペットの爪などによる部屋の傷の補修費用などが考えられます」

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