14180.jpg
既存キャラを模写、アレンジして「SNSアイコン」「自作Tシャツ」…著作権侵害?
2017年08月07日 09時56分

アニメや漫画などの既存の人気キャラクター画像をSNSのアイコンにしたり、イラストを自分で描いて楽しむ人は少なくない。しかし、こうした行為が著作権の侵害にあたらないか心配している人もいるようだ。

実際に、インターネット上のQ&Aサイトには、キャラクターを模写してLINEのアイコンにしたいと考える人、スマホケースを作りたい人、画像をそのまま模写するのではなく、自分でアレンジしてTシャツなどに利用したいと考える人などから、キャラクターの使用をめぐる質問が多く寄せられている。

アニメや漫画などのキャラクターを使用したい場合、どのような行為までが許されるのだろうか。また、違法行為となった場合、どんな責任を負う可能性があるのだろうか。著作権問題にくわしい柿沼太一弁護士に聞いた。

アニメや漫画などの既存の人気キャラクター画像をSNSのアイコンにしたり、イラストを自分で描いて楽しむ人は少なくない。しかし、こうした行為が著作権の侵害にあたらないか心配している人もいるようだ。

実際に、インターネット上のQ&Aサイトには、キャラクターを模写してLINEのアイコンにしたいと考える人、スマホケースを作りたい人、画像をそのまま模写するのではなく、自分でアレンジしてTシャツなどに利用したいと考える人などから、キャラクターの使用をめぐる質問が多く寄せられている。

アニメや漫画などのキャラクターを使用したい場合、どのような行為までが許されるのだろうか。また、違法行為となった場合、どんな責任を負う可能性があるのだろうか。著作権問題にくわしい柿沼太一弁護士に聞いた。

●原則として「著作権侵害」となる

「アニメや漫画などのキャラクター画像は著作物ですので、キャラクター画像を参考に描いたイラストを使用する行為は、原則として著作権侵害(複製権・翻案権侵害)になります。

もちろん、よく知られているように、『私的使用目的』の場合(著作権法30条1項)は、例外的に侵害とはなりません。しかし、この『私的使用目的』の範囲は、かなり狭いと考えてください。

たとえば、自分1人で楽しむ場合には『私的使用目的』に該当しますが、友人と共有する場合には、3、4人程度のごく少人数の友人間で共有する程度しか該当しません。それ以上の人数で共有する場合には『私的使用目的』に該当しません。ましてや、SNSで公開する場合には該当せず、原則どおり著作権侵害となってしまいます」

●刑事責任を負う可能性も

キャラクターをそのまま使用するのではなく、たとえば服を変えたり、顔を変えるなど、自分でアレンジを加える行為は許されるのだろうか。

「キャラクターをそのまま利用するのではなく、アレンジを加えた場合でも、元のキャラクターの本質的特徴を備えたままの場合には、著作権(翻案権)侵害となります。

『本質的特徴を備えている』という概念は曖昧ですが、『元ネタが判明する程度似ている』場合には該当すると考えるのが安全だと思います」

キャラクターの使用が違法であると認められた場合、どのような責任を負うことになるのか。

「キャラクターの無断使用が著作権侵害となった場合、ネット上にアップした画像の削除、画像の使用差止め、損害賠償などの民事上の責任に加えて、刑事責任を負わなければならない可能性もあります。

過去には、著作権法違反かどうかが微妙な事案で強制捜査がなされた事案もあり(ハイスコアガール事件)、注意が必要です」

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る