17013.jpg
既婚男性に「枕営業」してしまったキャバ嬢、妻から慰謝料請求されたらどうなる?
2023年08月02日 10時52分

既婚の男性客と関係をもってしまったが、慰謝料請求されてしまう可能性はあるのかーー。こんな悩みを抱えるキャバクラ勤務の女性から、枕営業の法的問題について、弁護士ドットコムに相談が寄せられた。

相談者の女性は、アフターで男性客と一度だけ肉体関係を持ったが、既婚者と知ってからは、関係を解消したそうだ。女性はその後、水商売から足を洗った。

しかし、女性が再び水商売の世界に戻ってきたことで、また連絡を取るようになり、過去の関係が気になっているそうだ。

もし、男性客の妻に過去の関係がバレて慰謝料請求された場合、認められる可能性はあるのか。鈴木淳也弁護士に聞いた。

既婚の男性客と関係をもってしまったが、慰謝料請求されてしまう可能性はあるのかーー。こんな悩みを抱えるキャバクラ勤務の女性から、枕営業の法的問題について、弁護士ドットコムに相談が寄せられた。

相談者の女性は、アフターで男性客と一度だけ肉体関係を持ったが、既婚者と知ってからは、関係を解消したそうだ。女性はその後、水商売から足を洗った。

しかし、女性が再び水商売の世界に戻ってきたことで、また連絡を取るようになり、過去の関係が気になっているそうだ。

もし、男性客の妻に過去の関係がバレて慰謝料請求された場合、認められる可能性はあるのか。鈴木淳也弁護士に聞いた。

●関係をもった後に知ったなら、認められない可能性が高い

「不貞行為で慰謝料請求が認められるためには、不貞相手に故意または過失があることが必要となります。

ここでいう故意とは、肉体関係を持った相手が既婚者であると知っていたことで、過失とは相手が既婚者であると認識すべきであるのに不注意によって認識していなかったことです」

今回のケースはどうだろうか。

「相談者が男性客を既婚者であると認識したのは肉体関係をもった後ですので、不貞行為時に故意がなかったといえます。詳細な事情はわかりませんが、既婚者と認識し得ない状況だったのであれば、過失も否定されますので慰謝料請求は認められません」

●ホステスの「枕営業」で、客の妻からの慰謝料請求を否定した裁判例も

また、別の考え方もあるという。

「仮に過失が認められる場合であっても、今回は、相手が顧客という立場であって、いわゆる枕営業という特殊性があります。

過去の裁判例では、ホステスが男性顧客と肉体関係を持っていたことで男性顧客の妻から慰謝料請求されたという事案で、『ホステスが男性顧客と性交渉を継続してもそれが枕営業であると認められる場合には売春婦の場合と同様に、顧客の性欲処理に商売として応じたに過ぎず、何ら婚姻共同生活の平和を害するものではないからそのことを知った妻が精神的苦痛を受けたとしても、当該妻に対する関係で、不法行為を構成するものではない』としたうえで、実際に当該事案が典型的な『枕営業』に該当すると認定して、慰謝料請求を否定したものがあります。

ただ、これはあくまで地方裁判所の一つの裁判例に過ぎません。その後、似たような事案において、仮に不貞行為の動機が枕営業であったとしても不法行為が成立すると判断したものもあります。基本的には、慰謝料請求が認められる可能性が高いと考えた方がいいでしょう」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る