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結婚相談所「必ずいい相手を紹介する」、解約要望に応じてくれず…どうしたらいい?
2017年05月15日 09時45分

「婚活」という言葉が普通に使われるようになって久しい今、婚活に結婚相談所を利用する人も珍しくない。結婚相談所に入会しても必ず結婚できるわけではないのは当然だが、追加の費用ばかりが掛かってしまう、解約をさせてもらえないというトラブルが多発しているという。

国際結婚相手紹介サービスを契約し、入会料やお見合いツアー参加料として高額な費用を支払ったもののよい相手と出会えない。そこでもうやめたいと言っても、「必ず条件に合う相手を紹介する」と言って解約に応じてもらえない、という事例が国民生活センターから公表されている。

実は、結婚相談所との契約は、特定商取引法という法律によって、契約の成立やクーリング・オフ、解約や返金等について、利用者は特別に保護されている。

しかし、今回の事例のように解約に応じてもらえなければ、さらに費用が加算されてしまうこともあるだろう。また、支払ったお金を取り戻すことはできないのだろうか。消費者問題に詳しい上田孝治弁護士に聞いた。

「婚活」という言葉が普通に使われるようになって久しい今、婚活に結婚相談所を利用する人も珍しくない。結婚相談所に入会しても必ず結婚できるわけではないのは当然だが、追加の費用ばかりが掛かってしまう、解約をさせてもらえないというトラブルが多発しているという。

国際結婚相手紹介サービスを契約し、入会料やお見合いツアー参加料として高額な費用を支払ったもののよい相手と出会えない。そこでもうやめたいと言っても、「必ず条件に合う相手を紹介する」と言って解約に応じてもらえない、という事例が国民生活センターから公表されている。

実は、結婚相談所との契約は、特定商取引法という法律によって、契約の成立やクーリング・オフ、解約や返金等について、利用者は特別に保護されている。

しかし、今回の事例のように解約に応じてもらえなければ、さらに費用が加算されてしまうこともあるだろう。また、支払ったお金を取り戻すことはできないのだろうか。消費者問題に詳しい上田孝治弁護士に聞いた。

●クーリング・オフにより全額が返金されることも

訪問販売などの消費者トラブルを生じやすい取引類型を対象に、「特定商取引法」という法律が、事業者が守るべきルールやクーリング・オフ等の消費者を守るルールを定めています。

結婚相手紹介サービスについては、サービス提供期間が2カ月を超えるもので、かつ利用料金が5万円を超える契約であれば、特定商取引法の定める「特定継続的役務提供」という取引に該当します。

そして、特定継続的役務提供については、消費者が法定書面(特定商取引法で記載すべきとされている事項が記載された書面)を受け取ってから8日以内であればクーリング・オフをすることにより自由に契約をやめることができます。

この場合、仮に一定のサービスを受けた後であっても消費者は代金を一切支払う必要はありませんし、すでに頭金など支払った代金があれば全額返してもらうことができます。

クーリング・オフができるのは、法定書面が消費者に実際に渡されてから数えて8日以内となっていますので、実際に契約をした日から8日を経過した場合であっても、そもそも契約に関する書面を受け取っていないとか、受け取っていた書面に必要な事項が記載されていないといったケースでは、クーリング・オフにより契約をやめることができます。

なお、クーリング・オフというと訪問販売をイメージされる方が多いのですが、結婚相手紹介サービスについては、訪問販売によって契約したかどうかは関係なくクーリング・オフの対象となります。

●クーリング・オフ期間が過ぎていても、中途解約は可能

また、特定継続的役務提供に該当する結婚相手紹介サービスでは、クーリング・オフができる期間が過ぎた後でも、消費者から自由に中途解約をすることができます。中途解約は、消費者の都合で一方的に行えますので、相談事例のように結婚相談所がそれに応じないということはそもそも許されません。

ただ、中途解約は、クーリング・オフと違って、契約を最初からなかったことにするのではなく、中途解約した以降の契約をなくすというものです。

ですから、例えば中途解約までに消費者が一定のサービスの提供を受けている場合は、実際にサービスの提供を受けた部分の対価に相当する額などは結婚相談所に支払う必要があり、この際の精算金額についてよく争いになっています。

提供を受けたサービスの対価の算定については、結婚相談所が契約書等で算定ルールをあらかじめ定めていることも多いのですが、その定め方は合理的なものでなければなりません。

ですから、例えば、結婚相談所が、入会金などの名目で多額の費用を計上しておき、いざ中途解約となった場合に、それらの費用は契約の最初の段階ですでに提供が済んだサービスの対価(初期費用)であって返金できない旨を主張したとしても、それが実質的に見て最初の段階で提供されたサービスの対価として過大であれば、当然に消費者がその金額を支払わなければならないわけではありません。

なお、クーリング・オフをする場合には、特定商取引法上、消費者は書面により行う必要がありますし、中途解約の場合も、後日、言った言わないの争いにならないようにするために書面で通知する方がベターです。

したがって、手紙やはがきに所定の事項を記載して、簡易書留等の記録が残る方法で発送することで、確実に契約を終了することができます。

しかし、事業者に返金を求める場合で、スムーズに返金に応じてもらえない場合や、返金金額について納得できないなどの場合は、各地の消費生活センターや弁護士等の専門家に相談してください。

(弁護士ドットコムニュース)

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