2826.jpg
エステ会社会長「逮捕されても残業代は出せない」「会社の法律は俺」…従業員らが未払い残業代求め提訴
2017年11月20日 15時09分

東京都内で「エステティックサロンさくら」2店舗を経営する株式会社ベルフェム(代表取締役・佐々木徹)を相手取り、エステティシャンの従業員と元従業員らが未払いの残業代支払いを求めて東京地裁に提訴した。元従業員らが11月20日、厚生労働省記者クラブで記者会見して、明らかにした。

会見には、従業員や元従業員ら4人も参加。月70時間を超える長時間労働があったにも関わらず、残業代が支払われないなどブラックな労働実態が明らかにされた。従業員らはエステ・ユニオンに加盟して会社側と団体交渉を重ねてきたが、一向に改善されなかったため、提訴に踏み切ったという。

同社に対しては、昨年12月に品川労基署が労基法37条(残業代未払い)に違反しているとして、是正勧告を出しているほか、今年8月にも渋谷労基署も同法の休憩時間未取得などで是正勧告を出している。

東京都内で「エステティックサロンさくら」2店舗を経営する株式会社ベルフェム(代表取締役・佐々木徹)を相手取り、エステティシャンの従業員と元従業員らが未払いの残業代支払いを求めて東京地裁に提訴した。元従業員らが11月20日、厚生労働省記者クラブで記者会見して、明らかにした。

会見には、従業員や元従業員ら4人も参加。月70時間を超える長時間労働があったにも関わらず、残業代が支払われないなどブラックな労働実態が明らかにされた。従業員らはエステ・ユニオンに加盟して会社側と団体交渉を重ねてきたが、一向に改善されなかったため、提訴に踏み切ったという。

同社に対しては、昨年12月に品川労基署が労基法37条(残業代未払い)に違反しているとして、是正勧告を出しているほか、今年8月にも渋谷労基署も同法の休憩時間未取得などで是正勧告を出している。

●「勝手に有給を消化されていた」「風邪を引くと欠勤扱い」…元従業員が訴え

会見した市橋耕太弁護士によると、訴えた従業員らは、いずれも2014年から2016年にかけて、求人サイトで求人募集要項を見た上で入社した。求人募集要項には「実働8時間」「月給23万円プラス諸手当」などの記載があったが、実際には9時台から21時台まで働くなど、最長で月70時間の長時間労働があっても残業代は支払われず、月給23万円を超えることはなかったという。

従業員らが、未払いの賃金を請求したところ、会社側は給与のうち、いくつかの手当が「固定残業代」であると主張しているが、雇用契約書にはそうした記載はなく、説明を受けたこともなかった。

原告で、元従業員の40代女性は、「エステが大好きで3年働きました。でも、有給はあってもほとんど使うことができなくて、毎月公休日にあわせて勝手に使われていた。それなのに、風邪を引いて休むと欠勤扱いになり、給料からどんどん引かれていった。3万円以上、引かれたこともあった。エステは劣悪な労働環境で辞めていく人が多い。おかしいことはおかしいと言える社会にしたいです」と声をつまらせながら話した。

また、同じく原告で、現役従業員の20代女性は、「休憩をとらないことが、素晴らしいことだと言われるおかしい環境。食事も取れないので、胃が痛くなってつらいと思った。残業も社員が勝手にやっていることと会社に言われてショックだった」と語った。

●「会社の法律は俺だと思ってるから」…会長発言

会見では、ベルフェム会長の佐々木徹氏の従業員に対するパワハラともとらえられる録音音声も流された。録音は今年8月、突然店舗を訪れた佐々木氏がその場にいた6人の従業員相手に20分にわたり、一方的に話したものという。発言の一部は以下の通り。

「誰が言っても出せないものは出せない。逮捕されても出せない。これはね、裁判になると思う。でもほとんどの人はね、弁護士に相談しても、おれの言うことが間違ってるって言う。裁判やっても勝てないって言うけど、俺は勝てる勝てないの問題じゃないと思う。会社っていうのはね、会社の法律は俺だと思ってるから」

市橋弁護士は、「これは、ブラック企業の問題と考えています。典型的な求人詐欺で、好条件で募集しておきながら、固定残業代や諸手当を含めての給与で雇用するという手法を使っている。どんなに働いても、最低保障額だと思った23万円を超えることはない働き方になっていました」と説明した。

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る