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ブラジル大使館の職員2名「解雇無効」主張し提訴 「日本の労働法保護が実質的に及ばず」
2025年07月25日 17時13分
#ブラジル大使館

ブラジル大使館(東京都港区)で働いていた2人の男性が7月25日、解雇無効や未払いの賃金など約1850万円の支払いを求めて、東京地裁に提訴した。

男性側は同日の会見で「大使館など在日外国公館では、外国に雇用される現地採用の労働者に、日本の労働法の保護が実質的に及んでいない実態がある」と主張した。

ブラジル大使館(東京都港区)で働いていた2人の男性が7月25日、解雇無効や未払いの賃金など約1850万円の支払いを求めて、東京地裁に提訴した。

男性側は同日の会見で「大使館など在日外国公館では、外国に雇用される現地採用の労働者に、日本の労働法の保護が実質的に及んでいない実態がある」と主張した。

●原告「解雇理由は身に覚えがないもの」

訴状によれば、原告のAさん(40代)とBさん(50代)はそれぞれ2017年4月、2016年11月から雇用され、駐日ブラジル大使公邸(渋谷区代々木)で働いてきた。

Aさんは2024年1月に懲戒解雇された。その後、解雇の理由として「大使館内の高価な備品の度重なる損壊行為」などが通知された。

Bさんは2025年3月に「業務執行に際して料理長等の上長及びバトラーの指示に従わないこと」などを理由に解雇された。

パーティーや大使の料理を作ってきたというBさんは「まったくそのようなことはなく、こんなことをしていたらパーティーも進まない」として解雇理由とされた事実を否定したうえで、「料理長からパワハラされました。胸ぐらをつかまれたりしました」などと語った。

●他の国の大使や大使夫人のセクハラやパワハラ被害の相談があった

原告代理人の嶋﨑量弁護士は、Aさんはいわゆる日系ブラジル人で、国籍はブラジルだが、20年以上日本で生活し永住者の在留資格があり、日本の民事裁判権が及ぶと説明する。

駐日大使館の職場環境をめぐり「使用者側の意識は日本の労働法を守る意識が希薄。多くの国でそのような状態にある」と指摘し、「問題が起きても、日本の行政権は外国に介入しづらい。労働者がほぼ泣き寝入りを強いられる」(嶋﨑弁護士)

情報労連によれば、2021年以降、ブラジルをのぞく6カ国の大使館・領事館で働く関係者から、大使や大使夫人などのセクハラやパワハラ被害、過労死などの相談が寄せられたという。

情報労連の水野和人書記長は、外国が現地で雇用する場合でも、日本の労働法が適用され、日本の法律を守らなければならないと強調した。

画像タイトル 左から嶋﨑弁護士、水野書記長、山崎理仁ブラジル大使館ユニオン顧問(7月25日)

Bさんはこのように語った。

「職場でのハラスメントが起きても相談できる窓口がなく、同僚と悩みを分かち合うことも組合に相談することすら禁止され、孤立しました。事実と異なる理由で懲戒処分をうけ、異議申立も退けられ、突然一方的に解雇を言い渡されました」

ブラジル大使館側に見解を求めており、コメントがあれば追記する。

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