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ツイッターで薬物すすめた「大麻おじさん」逮捕…あおっただけでもアウト?
2017年03月16日 09時42分

乾燥大麻を所持していたなどとして、大阪府の男性が3月上旬、大麻取締法違反(所持)や麻薬特例法違反(あおり・唆し)などの疑いで逮捕・送検された。男性はネット上で「大麻おじさん」と呼ばれていた。

報道によると、男性は今年1月、自宅で乾燥大麻約270グラムを所持。さらに、ツイッター上で、乾燥大麻のような植物片を吸引する画像など投稿したり、50回以上にわたって大麻の使用をすすめる投稿をするなどしていた疑いが持たれている。取り調べに容疑を認めているという。

大麻を所持したら罪に問われるのは知られている。だが、その使用をすすめる投稿もアウトなのか。今回の容疑の一つである「麻薬特例法違反」はどんな場合に成立するのだろうか。刑事事件にくわしい高岡輝征弁護士に聞いた。

乾燥大麻を所持していたなどとして、大阪府の男性が3月上旬、大麻取締法違反(所持)や麻薬特例法違反(あおり・唆し)などの疑いで逮捕・送検された。男性はネット上で「大麻おじさん」と呼ばれていた。

報道によると、男性は今年1月、自宅で乾燥大麻約270グラムを所持。さらに、ツイッター上で、乾燥大麻のような植物片を吸引する画像など投稿したり、50回以上にわたって大麻の使用をすすめる投稿をするなどしていた疑いが持たれている。取り調べに容疑を認めているという。

大麻を所持したら罪に問われるのは知られている。だが、その使用をすすめる投稿もアウトなのか。今回の容疑の一つである「麻薬特例法違反」はどんな場合に成立するのだろうか。刑事事件にくわしい高岡輝征弁護士に聞いた。

●薬物犯罪を公然とあおったり、唆すと罪に問われる

「薬物犯罪や規制薬物の濫用(乱用)などを公然とあおったり、唆した場合、3年以下の懲役または50万以下の罰金に処せられます(麻薬特例法9条)。

たとえば、大麻の使用すること自体は罰せられませんが、『規制薬物』には該当するため、大麻の使用や濫用を公然とあおったり、唆す行為をすると処罰されるのです。

こうした行為が犯罪化された理由は、規制薬物の濫用の危険性に関する認識を誤らせて、規制薬物の濫用をまん延させ、ひいては薬物犯罪を助長するおそれもあるため、その違法性が単に1人が使用するのとは異なって高く、処罰の必要性が大きいからです」

具体的にはどんな行為があてはまるのだろうか。

「法律の要件とされている『公然』とは、不特定または多数の人が知ることができる状況を意味します。

また、『あおり』『唆し』とは、薬物犯罪を実行すること、あるいは規制薬物を使用することの決意を生じさせたり、すでに生じている決意を助長させるような刺激を与える行為を意味します。

典型例としては、次の(1)〜(3)のケースがあてはまります。

(1)集会で集まった人に対し、覚せい剤などの規制薬物を使用する意思を生じさせるような演説をおこなうこと

(2)街頭で、その旨のビラを配布すること

(3)テレビ、ラジオ等を使って同様の演説をおこなうこと

なお、単に、ある薬物の無害性を主張して、その規制を廃止を求めるにとどまるだけならば、この罪に該当しないと考えられるという指摘があります」

●ツイッターも「公然」にあてはまる

「大麻おじさん」はツイッターで投稿していた。「公然」にあてはまるのだろうか。

「ツイッターの投稿は、不特定または多数の人が知ることができるものであるため、『公然』に該当します。

大麻の使用をすすめている点は、前述のとおり、大麻の使用は不可罰ですが、その使用や濫用の『あおり』『唆し』は処罰されます。

逮捕された男性は、50回以上にわたり大麻の使用をすすめる投稿をしたとのことです。

そうであれば、大麻の使用や濫用の決意を生じさせたり、すでに生じている決意を助長させるような刺激を与える行為であり、『あおり』『唆し』に該当します。

植物片を吸引する画像を投稿していた点については、その分、『あおり』『唆し』の該当性を強くしています。画像の投稿がなくても、他の投稿を総合すれば、十分罪に問われるレベルに至っています」

なお、ツイッターでは、一部のユーザーに対して限定的に閲覧できる『非公開』という機能がある。非公開にしていた場合はどうだろうか。

「客観的に、不特定または多数の人が知りうる状況にならない場合であれば、『公然』といえず、罪は成立しません。

ただし、フォローリクエストすれば誰でもフォローできる場合などは、事実上、『非公開』といえないケースもあると思います。その場合は『公然』に該当する可能性があります」

(弁護士ドットコムニュース)

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