4898.jpg
大盛り無料のカレー、食べきれずに残したら「出入り禁止」に…そんなのアリ?
2020年02月15日 09時23分
#大盛

美味しいカレーが出てくる店で、たくさん食べようと大盛り(無料)を注文。しかし、ご飯が多すぎて食べきれず、残してしまう羽目に。それだけでもしんどいが、なんと経営者の店長から、「なんで食べきれないのに大盛り頼んだの。君みたいな人に来てほしくない」と激怒され、出入り禁止を告げられてしまった。

これは、首都圏の大学生ケンタさんが商店街の小さな洋食店で体験したエピソードです。

他の店員からは慰められたものの、ケンタさんは「なんでここまで言われないといけないのか」と釈然としない思いです。

ケンタさんはもう一度、店に行ってみたいという思いもあるそうですが、出入り禁止は法的に正当化されるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。

美味しいカレーが出てくる店で、たくさん食べようと大盛り(無料)を注文。しかし、ご飯が多すぎて食べきれず、残してしまう羽目に。それだけでもしんどいが、なんと経営者の店長から、「なんで食べきれないのに大盛り頼んだの。君みたいな人に来てほしくない」と激怒され、出入り禁止を告げられてしまった。

これは、首都圏の大学生ケンタさんが商店街の小さな洋食店で体験したエピソードです。

他の店員からは慰められたものの、ケンタさんは「なんでここまで言われないといけないのか」と釈然としない思いです。

ケンタさんはもう一度、店に行ってみたいという思いもあるそうですが、出入り禁止は法的に正当化されるのでしょうか。寺林智栄弁護士に聞きました。

●本来、店が自由に決めることができる

「店側と客の間には、一般的に、飲食物の提供とこれに対して代金を支払うという内容の契約が成立することになります。

今回のケースでは、店側が大盛カレーを食べ残した客に対して、以後飲食物の提供を一切拒否する、契約を結ばないという意思表示をしたことになります。

本来、店側がどのような客に対して飲食物を提供するかは自由に決められます。

ですが、今回のケースでは、店側は客が大盛カレーにチャレンジする前に『食べ残したら出入り禁止』ということを予告していません。

店側の『出入り禁止』の意思表示は客にとっては不意打ちでありアンフェアです。

このようなアンフェアな意思表示は、『信義誠実の原則』という民法上の原則に基づいて無効となると考えられます。

ですので、法的に認められないと考えられます」

●当然残す人が出てくることも想定すべき

予告がなければ、どんな場合でも、出入り禁止にはできないのでしょうか。

「店側の予告なしの出入り禁止が常に無効というわけではありません。

例えば客側が、店の中で暴れる、店のものをわざと壊すといったような迷惑行為を行った場合には、このようなことをしてはいけないのは社会常識として当然です。予告なしで出入り禁止にしても認められる場合があるでしょう」

また、店に入ってくることは認めたとして、「以前残したあなたには大盛りカレーを出しません」と注文を拒否することは可能でしょうか。

「そうですね、大盛りカレーの提供に限れば、拒否することも認められるのではないでしょうか。

いずれにせよ、今回のケースは客にとっては『チャレンジ』であって、店側としては、当然残す人が出ることも想定すべきです。このような企画は、集客のために行うものなのですから、残す客を出入り禁止にするという店長の行為は、常識的に見ても首をかしげるもので、店の評判を落とすことになりかねないのではないでしょうか」

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る