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ホスト枕営業、人妻の客と肉体関係もったら夫から「慰謝料請求」…不倫になるの?
2016年10月13日 00時00分

営業のために、人妻の客と「体の関係」を持ったというホストが「営業だから別に不倫ではないと思うんですが、どうなんでしょうか?」。そんな質問を弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せました。

ホストは、人妻と性的関係がありましたが、それは「店に呼ぶために体の関係をもっただけ」だと言います。つまり「枕営業」です。人妻とその夫との夫婦関係は破綻していたようですが、ホストとの関係が「旦那に全てばれたみたいで離婚」することに。夫は、ホストに対して慰謝料請求をすると伝えてきたそうです。

「枕営業」としてホストが既婚女性と肉体関係を持つことは「不貞行為」に該当するとして、慰謝料を請求されるのでしょうか。また、夫婦関係が破綻している場合でも、不貞行為にあたるのでしょうか。大河内義之弁護士の解説をお届けします。

営業のために、人妻の客と「体の関係」を持ったというホストが「営業だから別に不倫ではないと思うんですが、どうなんでしょうか?」。そんな質問を弁護士ドットコムの法律相談コーナーに寄せました。

ホストは、人妻と性的関係がありましたが、それは「店に呼ぶために体の関係をもっただけ」だと言います。つまり「枕営業」です。人妻とその夫との夫婦関係は破綻していたようですが、ホストとの関係が「旦那に全てばれたみたいで離婚」することに。夫は、ホストに対して慰謝料請求をすると伝えてきたそうです。

「枕営業」としてホストが既婚女性と肉体関係を持つことは「不貞行為」に該当するとして、慰謝料を請求されるのでしょうか。また、夫婦関係が破綻している場合でも、不貞行為にあたるのでしょうか。大河内義之弁護士の解説をお届けします。

●「枕営業」が目的であっても不貞行為にあたるのか?

夫からしてみれば、奥さんの不貞行為の相手が一般の方であってもそれがホストであっても、精神的な苦痛を味わうことは同じかもしれません。しかし、この問題とは逆のケースですが、ホステスが枕営業をしたというケースについて、「妻のホステスに対する慰謝料請求を認めない」という2014年の裁判例があります。

その理由は、「枕営業は、商売のためであって、夫婦の関係に悪影響を及ぼそうという意図もないのだから、奥さんが精神的苦痛を負ったとしても、そのことでホステスが慰謝料を支払う必要はないでしょう」というものでした。

ただし、そういった意図と関係なく不貞行為にあたるとするのが最高裁判例ですし、相手の夫婦関係には全く興味もなく、いわば遊びで既婚者と不貞行為に至るというケースでも慰謝料は認められてきたと思われます。

先ほどの裁判例では、妻側から控訴されずに確定してしまったのが残念ですが、別の判断がなされる可能性は十分にあると思います。結論としては、「たとえ枕営業でも不貞行為にあたる」ということになるでしょう。

●夫婦関係が破綻していた場合は?

夫婦関係が破綻している場合や破綻していると思っていた場合には、慰謝料は支払う必要はない、と考えられています。慰謝料請求をされた側からこのような反論がなされることはとても多いです。

しかし、「夫婦関係が破綻しているかどうか」というのは、単に「夫婦が別居しているかどうか」というだけではなく、さまざまな事情を考慮する必要がありますし、その立証にもハードルがあると思われます。

結論としては、「夫婦関係が破綻している場合には不貞行為にはあたりませんが、夫婦関係が破綻しているということはそれほど簡単には認められません」ということになります。

(弁護士ドットコムライフ)

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