8204.jpg
「パパ活」でパトロン男性からもらった「交通費」や高額家電、税金の問題はないの?
2017年05月14日 09時59分

若い女性がパトロンとなる中高年男性を探す「パパ活」が話題になっている。その形は様々で、援助交際のように性的関係を持つケースもあれば、食事だけを楽しむケースもあるようだが、金銭を介したやりとりである点が特徴的だ。

ネットのQ&Aサイトでも、「親が離婚していてお金もあまりないので、留学したいなど親に言えませんのでパパ活したいです」「私もあと数年もすると若さで売れなくなってしまうのでやるなら今しかない」など、パパ活に関する質問が多数投稿されている。

実際のパパ活をしている人たちによると、「パパ」からは、「交通費」と称して高額のお手当をもらったり、高額な家電製品などのプレゼントをもらうケースが多いようだ。あまりに収入が高額になった場合、税金の問題は生じないのだろうか。新井佑介税理士に聞いた。

若い女性がパトロンとなる中高年男性を探す「パパ活」が話題になっている。その形は様々で、援助交際のように性的関係を持つケースもあれば、食事だけを楽しむケースもあるようだが、金銭を介したやりとりである点が特徴的だ。

ネットのQ&Aサイトでも、「親が離婚していてお金もあまりないので、留学したいなど親に言えませんのでパパ活したいです」「私もあと数年もすると若さで売れなくなってしまうのでやるなら今しかない」など、パパ活に関する質問が多数投稿されている。

実際のパパ活をしている人たちによると、「パパ」からは、「交通費」と称して高額のお手当をもらったり、高額な家電製品などのプレゼントをもらうケースが多いようだ。あまりに収入が高額になった場合、税金の問題は生じないのだろうか。新井佑介税理士に聞いた。

●贈与税の申告対象に

いきなりですが「イクメン」と同じ類でパパが子育てに参加する活動を「パパ活」と勘違いされている方も多いのではないでしょうか。さらには援助交際とどう違うのかがわからない方も多いと思います。私はそうでした。

この「パパ活」と呼ばれる謝礼交際の違法性や不法性についてはケースバイケースになるかと思います。そこで今回は税金面にのみフォーカスして「パパ活」の課税関係について説明していこうと思いますね。

まず合法違法問わず、「パパ活」から得た金銭や財産は贈与税の申告対象となります。この点について、所得税法上の一時所得になるとも考えられますが、所得税法第9条第1項 第16号により「個人からの贈与により取得するもの」は所得税の非課税所得となると規定されているため、「パパ活」から得た金銭等は所得税ではなく贈与税が課税されると考えられます。

パパから慰謝料としてもらったから所得税法上非課税ではないか、という主張もあるようです。確かに慰謝料は心身に受けた損害を賠償するものであって非課税となります。しかしながら受け取った金銭が慰謝料額として不相当に高額である場合が殆どであるでしょうから、贈与とみなされる場合が多いのではないかと考えます。

それでは贈与税は一体いくらかかるのでしょうか。「パパ活」で得た金額が年間110万円までは基礎控除の枠内になりますので、贈与税はゼロです。この場合、非課税となるため申告の必要もありません。複数のパパから金銭等をもらっている場合は合計で計算する点に注意が必要です。110万円を超えた場合には、その超えた金額に対して10〜55%の税率を乗じた額が納付すべき贈与税になります。もちろん申告と納税が必要になります。これらの義務は、パパではなく女性側にあります。

パパ側からは、「夢の応援」や「先行投資」、女性側からは「人脈造り」や「自分磨き」といった聞こえの良い意見が飛びかっています。これらは彼らの罪悪感を薄め、倫理観のハードルを下げているように感じます。そもそも「パパ活」という言葉自体もそうかもしれません。

同じパパはパパでも、家庭を大切にして娘から愛される父親になりたいものです。そして娘も手塩にかけて育ててくれた父親を愛し、他人のパパではなく実の父親からもっと学ぶことはあるのではないかと思いますね。

【取材協力税理士】

新井 佑介(あらい・ゆうすけ)公認会計士・税理士

慶応義塾大学経済学部卒業。金融調整から新設法人支援、法定監査まで幅広く全力でクライアントをサポート。趣味はサーフィンとスノーボード、そして登山。好きな言葉は「変わり続ける勇気」

事務所名   : AAG Arai Accounting Group / 経営革新等支援機関 新井会計事務所

事務所URL: http://shozo-arai.tkcnf.com/pc/

【情報募集!】弁護士ドットコムニュースではパパ活についての情報を求めています。以下からLINE友だち登録をして、ご連絡ください。

友だち追加

(弁護士ドットコムニュース)

新着記事
一般的なニュースのサムネイル

同性婚訴訟、東京高裁が「合憲」判断 全国で唯一判断割れる結果に…弁護団「きわめて不当な判決だ」

性的マイノリティの当事者が、同性同士が結婚できないのは憲法に反するとして、国を訴えた裁判(東京2次訴訟)の控訴審で、東京高裁(東亜由美裁判長)は11月28日、現行法の規定を「合憲」と判断した。

一般的なニュースのサムネイル

最高裁で史上初の「ウェブ弁論」、利用したのは沖縄の弁護士「不利益にならない運用を」

裁判の口頭弁論をオンラインで実施する「ウェブ弁論」が今月、初めて最高裁でおこなわれた。

一般的なニュースのサムネイル

夫の「SM嗜好」に苦しむ妻、望まぬ行為は犯罪になる?離婚が認められる条件は?

パートナーの理解を超えた「性的嗜好」は、離婚の正当な理由になるのでしょうか。弁護士ドットコムには、そんな切実な相談が寄せられています。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「答え合わせしたい」日テレの拒否は「適正手続」の観点から問題?

コンプライアンスの問題を理由に番組を降板し、活動を休止していた元TOKIOの国分太一さんが、11月26日に東京霞が関で記者会見を開きました。

一般的なニュースのサムネイル

国分太一さん「録音の削除求められた」消さないと違法だったの?弁護士が解説

解散したアイドルグループ「TOKIO」の国分太一さんが11月26日、東京都内で記者会見を開き、日本テレビ側から番組降板を告げられた際、会話を録音しようとしたところ、同席した弁護士からデータの削除を求められたと明らかにした。一般論として、法的に録音の削除に応じないといけないのだろうか。

一般的なニュースのサムネイル

「サケ漁はアイヌ文化の主要な部分」日弁連、アイヌ施策推進法の改正求める意見書

日本弁護士連合会(日弁連)は11月20日、「アイヌの人々の誇りが尊重される社会を実現するための施策の推進に関する法律」(アイヌ施策推進法)の5年見直しに際し、アイヌ集団の権利保障やサケ漁の権利の法整備などを求める意見書を公表した。同法附則第9条の見直し規定に基づき、文部科学大臣や農林水産大臣など関係機関に提出した。

もっと見る