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同僚に殴られた男性、会社敷地で「凍死」 傷害致死にはならないのか?
2020年02月17日 10時22分

愛知県にある企業の倉庫内で2月8日朝、従業員男性が死亡しているのが見つかった。当時の気温は3度ほどで、司法解剖の結果、死因は凍死だったことがわかったという。

この事件では、男性の顔を殴るなどしてケガを負わせたとして、寮の同室で暮らしていた同僚が傷害容疑で逮捕されている。遺体で見つかった男性は、毛布がかかった状態で仰向けになっていたそうだ。

地元の東海テレビは、男性が殴られた後、コンテナの中で眠ってしまった可能性があるとの警察の見方を伝えている。

男性がどういう経緯で亡くなったかは明らかではないが、死因が凍死でも傷害致死に問われる可能性はあるのだろうか。本多貞雅弁護士に「因果関係」のポイントを聞いた。

愛知県にある企業の倉庫内で2月8日朝、従業員男性が死亡しているのが見つかった。当時の気温は3度ほどで、司法解剖の結果、死因は凍死だったことがわかったという。

この事件では、男性の顔を殴るなどしてケガを負わせたとして、寮の同室で暮らしていた同僚が傷害容疑で逮捕されている。遺体で見つかった男性は、毛布がかかった状態で仰向けになっていたそうだ。

地元の東海テレビは、男性が殴られた後、コンテナの中で眠ってしまった可能性があるとの警察の見方を伝えている。

男性がどういう経緯で亡くなったかは明らかではないが、死因が凍死でも傷害致死に問われる可能性はあるのだろうか。本多貞雅弁護士に「因果関係」のポイントを聞いた。

●「なぜコンテナで夜を過ごしたか」の解明がポイントになりそう

「傷害致死罪が成立するには、傷害行為と死という結果との間に因果関係が認められることが必要です。

この因果関係が問題となる類型としては、(1)加害者が傷害行為時に認識できなかった特殊な事情が既に存在したために死亡結果が生じた場合や、(2)傷害行為後に特殊な事情が介入した場合があります。

前者は、たとえば被害者に持病があり、加害者の傷害行為によってそれが悪化して死に至った場合などです。この類型において、傷害行為自体にそれなりの危険性がある場合には、因果関係は広く認められる傾向にあります。

後者は、たとえば加害者の傷害行為の後に、被害者の行為が介入して死に至った場合などです。

報道された事件では、被害者は凍死しています。凍死(偶発的低体温症)は体温低下による死亡ですが、加害者の傷害行為によって被害者が意識を失い、そのままコンテナのような場所に放置された場合には、傷害行為そのものの危険性が現実化して凍死に至らせたものとして、因果関係が認められるでしょう。

他方で、加害者の傷害行為の後、被害者による行為が必然的なものではなく異常なものであった場合には、その異常性の程度によっては因果関係が否定されることもあります。

被害者自身に意識があり、自らの意思でコンテナから出ずに眠ってしまったような場合には判断が分かれうるでしょう。コンテナの状況や周囲の状況、被害者が眠ってしまう経過や事情などから、被害者の行為が異常といえるかどうかがポイントとなります」

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