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安倍元首相の国葬巡り、市民団体が「NO!」 閣議決定など差し止めの仮処分申し立て
2022年07月21日 17時42分

政府が秋に実施予定とされる安倍晋三元首相の国葬をめぐり、市民団体が7月21日、国葬に関する閣議決定と予算執行の差し止めなどを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

安倍元首相の国葬については一部野党が実施に反対の姿勢を見せるなど賛否が分かれているが、7月22日も閣議決定する見通しとされている。全額国費でおこなわれ、9月27日実施で最終調整と報じられている。

申立人の1人で「権力犯罪を監視する実行委員会」共同代表の岩田薫さんは、申し立て後に行われた記者会見で、国葬実施について、「国民を愚弄した話であり、現憲法に違反する行為だ」と訴えた。

政府が秋に実施予定とされる安倍晋三元首相の国葬をめぐり、市民団体が7月21日、国葬に関する閣議決定と予算執行の差し止めなどを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

安倍元首相の国葬については一部野党が実施に反対の姿勢を見せるなど賛否が分かれているが、7月22日も閣議決定する見通しとされている。全額国費でおこなわれ、9月27日実施で最終調整と報じられている。

申立人の1人で「権力犯罪を監視する実行委員会」共同代表の岩田薫さんは、申し立て後に行われた記者会見で、国葬実施について、「国民を愚弄した話であり、現憲法に違反する行為だ」と訴えた。

●申立人側の主張

申立書によると、国葬の閣議決定と予算執行は思想良心の自由を定めた憲法19条に違反するとして、閣議決定ならびに予算支出をしてはならないとする裁判を求める。

岸田文雄首相は7月14日に開かれた記者会見で、国葬の実施根拠として内閣府設置法4条3項33号をあげ、国葬実施は国会の承認がなくても閣議決定で可能とし、内閣法制局とも調整した上での判断であることを示していた。

ところが、申立人が内閣法制局に直接照会したところ、「内閣法制局は内閣府設置法は所管していない」との回答があったとし、「法的根拠はないということになる」としている。

過去に政府と自民党の合同葬の際に、国の負担分が一般会計の予備費から支出されたことから、今回も同様の支出になると考えられるとしたうえで、仮に国会での審議・決議を経ずに、閣議決定だけで予備費を支出するならば、法的根拠のない「違法な支出」になると主張。

安倍元首相は森友・加計学園問題や「桜を見る会」問題などで「毀誉褒貶があった人物」であるとして、国民の評価が分かれている人物を国葬に付し、弔いの儀式に国民を強制的に参加させることは思想良心の自由を定めた憲法19条に違反するとしている。

●「庶民を舐めるなよ」

画像タイトル 会見の様子(7月21日、弁護士ドットコムニュース撮影)

安倍元首相の国葬をめぐっては、9月27日に日本武道館で行う方向で最終調整が進められていると報じられており、7月22日にも閣議決定する見通しとされている。

岩田さんは、閣議決定されるまでに仮処分に関する判断が出ないことは織り込み済みで、今回の申し立ては予算執行の差し止めが本線だと説明する。

「もし裁判所で差し止めを認めれば、予算は出せないことになり、国葬もできないことになりますので、非常に大きな意味があると考えます。このタイミングですので、閣議決定の揺さぶりにもなると思います」(岩田さん)

国を当事者とする裁判では通常、法務大臣が国を代表することとされているが、今回の申し立てでは国の代表者を「内閣総理大臣 岸田文雄」としたという。

「受理の段階でも揉めましたが、(国葬実施を決定するとされる)閣議を招集できるのは内閣総理大臣ということで、このようにしました」(岩田さん)

同市民団体共同代表の武内暁さんは、「庶民を舐めるなよ」と怒りの声をあげた。

「(国葬実施の際に)学校で、公民館で、社会教育で、日の丸を半旗で掲げて黙祷をさせるのでしょうか。これだけ世論が分かれているのに、『国会を開く必要がない、閣議で決めればいい』なんて論理は通りません。今回の仮処分申請は、私たちが主権者であり、『勝手に決めるな』という思いを表したものです」(武内さん)

同団体によれば、今回の申し立ての際、担当部署や印紙代などをめぐる協議があったといい、受理までに約2時間かかったという。最終的に、担当部署は民事第9部、印紙代は1人2000円で、50人を申立人としたため計10万円になったという。

また、来週にも行政訴訟(本訴)を提起する予定だという。

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