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フードコートで食事せず、冷水機で「水筒を満タン」にして帰る客…法的な問題は?
都内の大学に通うKさん(20)は、「自販機で飲み物を買うのはもったい無い」と考え、いつも水筒を持ち歩いている。大学や商業施設などで冷水機を見つけると、水筒を満タンにするのが習慣だ。しかし、最近そんな自分の習慣に問題はないのか、心配になってきたという。
Kさんは、とくに買い物や食事などで利用していなくても、大学の食堂や商業施設のフードコートなどで冷水機を見つけると水筒を補充してきた。これまでは「冷水機の水は誰が飲んでもいいはずだから、水筒に入れて持ち帰っても問題ないだろう」と考えていた。しかし、不安な気持ちがだんだん強くなってきたそうだ。
誰でも出入りが可能なフードコートなどの施設に置かれた冷水機から水を持ち帰る行為は、法的に問題ないのか。半田望弁護士に聞いた。
ASKA「覚せい剤ではなく、アンナカだと思っていた」 供述が本当なら「無罪」?
知人女性の自宅マンションで、「覚せい剤」を所持した疑いで逮捕された歌手のASKA(本名:宮崎重明)容疑者。警察の調べに対し、容疑を否認したうえで、「覚せい剤ではなく、アンナカだと思っていた」と供述したと報じられている。
あまり耳慣れない言葉だが、「アンナカ」とは、安息香酸ナトリウムカフェインの通称で、白い粉状の薬品をさす。眠気を取り除いたり、偏頭痛や倦怠感をやわらげる効果があるとされる。
劇薬指定されているが、医師の処方箋があれば、購入できる代物だ。もしASKA容疑者が供述どおり、「覚せい剤ではなく、アンナカだ」と本当に思って所持していたのだとしたら、どうなるのだろうか。いわゆる「故意」がなかったとして、無罪になるのだろか。秋山直人弁護士に聞いた。
「月800万稼げるから行きなよ」 ホストに結婚そそのかされ海外売春、すべて失い絶望する女性
悪質ホスト問題では、多額の売掛(ツケ払い)を抱えた女性が性風俗業に追い込まれる。国内に限らず、ときには海外売春にも及ぶ。あるホストクラブ代表の座に就く看板ホストによる「結婚詐欺」にかかった、ある女性もその道に「堕とされた」と証言する。(ジャーナリスト・富岡悠希)
最高で懲役20年――「脱法ハーブ」吸って交通事故「罪の重さ」はどれくらいか?
「脱法ハーブ」をめぐる事件や事故が絶えない。6月24日夜には、東京のJR池袋駅近くの路上で、乗用車が歩道に突っ込み、歩行者1人が死亡、7人が重軽傷を負う悲惨な事故が起きた。運転していた37歳の男性は自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の疑いで、警視庁に現行犯逮捕された。
報道によると、男性は警察に対し、「運転前に車内で脱法ハーブを吸った」「運転している途中から(事故後に)警察官に声をかけられるまで全く記憶がない」と供述しているという。事故当時、意識がもうろうとした状態だった疑いが強まり、6月26日には自動車運転死傷行為処罰法違反(危険運転致死傷)の容疑で送検された。
脱法ハーブは幻覚や意識障害を引き起こす作用がある。今回、現行犯逮捕されたときの容疑は「過失傷害」だったが、送検時には「危険運転致死傷」に切り替わった。脱法ハーブを吸って事故を起こした場合、罪は重くなるのだろうか。交通事故にくわしい谷原誠弁護士に聞いた。
性風俗店、キャバクラ、AVの「路上スカウト行為」、法的にアウトな理由
繁華街では、言葉巧みに女性たちを風俗店やキャバクラで働くように勧誘する「スカウトマン」たちをよく見かける。彼らの行為を迷惑だと感じる人もいるはずだ。10月下旬には、路上でスカウトした女性を性風俗店に紹介したとして、大阪府警が職業安定法違反(有害業務の紹介)の疑いで、人材紹介会社の社長らを逮捕したと報じられている。
路上でよくみかけるスカウト行為だが、本当は違法なのだろうか。風俗店にかぎらず、キャバクラ、アダルトビデオなどをめぐる路上でのスカウト行為には、どのような法的な問題があるのだろうか。大川一夫弁護士に聞いた。
「京大の体質がブラック企業化してる」吉田寮退去・立て看板撤去問題でシンポ
名物の「立て看板」(タテカン)の撤去や、100年以上の歴史がある「吉田寮」からの退去など、自由な学風で知られる京都大学が「管理強化」でゆれている。この問題について考えるシンポジウムが2月13日、同文学部(左京区吉田本町)で開かれた。吉田寮生や現役教員らが登壇。「京大の体質がブラック企業化している」など、含蓄に富んだ発言も飛び出し、終始熱気にあふれた。
ジブリが「鳥獣戯画」を使ったアニメ制作、800年前の作品なら著作権の問題はない?
スタジオジブリは、丸紅新電力のタイアップCMとして、日本最古の漫画として知られる「鳥獣戯画」をアニメーション化した作品を発表した。
これは、800年以上前の日本最古の漫画として知られる絵巻物「鳥獣人物戯画」を素材にして、絵柄を変えずにアニメーション化した作品。丸紅新電力の公式サイトで「鳥獣戯画 出会い編」を見ることができる。2足歩行のウサギやカエルが、絵巻物の中でなめらかに動き回る様子が新鮮だ。
「鳥獣戯画」の作者について、仮説はあるものの、誰の作品かは明らかになっていない。こうした古典をモチーフにしてアニメーションを作った場合、著作権は誰のものになるのだろうか。著作権の問題に詳しい唐津真美弁護士に聞いた。
NHK受信料、ワンセグ付きカーナビでも必要と初判断 東京地裁
ワンセグ機能付きカーナビの持ち主に、NHKとの受信契約を結ぶ義務があるかどうかが争われた訴訟で東京地裁は5月15日、義務ありとする判決を下した。NHKによると、カーナビの受信料について争われた訴訟は初めて。
放送法64条1項は「受信設備を設置した者」に契約を結ぶ義務があるとしている。今年3月には、テレビを持たず、ワンセグ携帯のみのユーザーについて、契約義務ありとした高裁判決4件が確定していた。
NHKの規約では、一般家庭については「世帯ごと」の徴収になるため、テレビなどで受信契約を結んでいれば、カーナビのワンセグについて追加で受信料を徴収されることはない。
しかし、事業所については、受信機の「設置場所ごと」としており、ワンセグ機能付きのカーナビが搭載されていれば、事業所が所有する自動車1台ずつからの徴収となる。
今回の判決を受けて、企業や官公庁が所有するテレビが見られるカーナビについて、受信料の徴収が進む可能性がある。
NHKは「これまでも丁寧にご説明して契約していただいていた。これからも同様になる」とコメントした。
原告は栃木県の女性。自家用車のワンセグ付きカーナビについて、受信契約を結ぶよう求められたため、契約義務がないことを確認する訴訟を起こしていた。控訴はしない方針だという。
「具体的な対北政策が見えない」拉致被害者家族の蓮池透さんが「安倍首相」を批判
北朝鮮の拉致被害者家族の蓮池透さんが12月21日、東京・有楽町の外国特派員協会で記者会見を開き、「安倍さんの言うことは『あらゆる手段を尽くす』とか非常に情緒的で、具体的な戦略はまったく見えてこない」などと、安倍首相の対北政策を厳しく批判した。
蓮池さんは『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』(講談社)という本を出版したばかり。自著について「非常に挑戦的なタイトルの本を書いたが、単に批判をして憂さを晴らすという意味ではない」と語っていた。
児童虐待の親「育児にかんして精神的に不安定だった」 親は誰に相談すればいいのか?
いたましい児童虐待事件が絶えない。11月上旬、札幌市で2歳の息子の首を絞めて殺害しようとしたとして、母親が殺人未遂容疑で逮捕された。家族は、この母親が「育児にかんして精神的に不安定だった」と話しているという。
この母親のように、育児の悩みや子どもへのいらだちがたまり、ある日突然、ストレスが限界に達して、子どもに暴力をふるうケースは少なくないようだ。逆にいえば、親が抱える辛さやストレスを解消できれば、虐待を未然に防げるケースもあるのではないだろうか。
育児に追いつめられ、「子どもを虐待してしまうかもしれない」という不安を抱えた父母が、助けを求められる場所はあるのだろうか。児童虐待にくわしい榎本清弁護士に聞いた。